大阪大学大学院 人間科学研究科福祉社会論
社会保障や高齢者・障がいのある人の福祉、市民活動に関する研究。

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現在の主な研究活動

(1) 社会的企業が供給する医療・介護に関する研究

多くの先進諸国の医療や介護サービス供給において準市場化が定着する中で、理想とされる福祉多元主義が実現できず、営利企業による市場の寡占化が進む傾向にある。社会的企業(social enterprise)が供給する福祉サービスは利用者の満足度も高く、同時に地域社会に豊かな社会的価値を生み出している。中山間地域では雇用を生み、都市部では職員のやりがいや利用者のエンパワーメントに大きく寄与していることが先行研究でも示されている。Victor A. Pestoff教授(エーシュタ・シュンダール単科大学客員教授・スウェーデン/本学招へい教授)、Johan Vamstad准教授(同大学准教授/本学特任准教授)とともに、日本国内のJA厚生連、医療生協、生協総合研究所の協力を得て、フィールド調査を行っている。(科研費補助金、大阪大学国際共同研究促進事業による)
「なぜ日本の協同組合医療介護を研究するのか」 PDF(986KB)

(2) 高齢者介護の国際比較研究(北欧4カ国、ドイツ)


社会保障分野の国際比較研究では統計に基づく量的比較が主流である。しかし社会保障の中でも介護はその国の歴史と文化や人々の生活スタイルに大きな影響を受けるため、在宅サービスといってもその内容は異なり、量的比較に限界がある。そこでMarta Szebehely教授(ストックホルム大学・スウェーデン)らは介護従事者へのアンケート調査をもとに日常的な介護の北欧諸国間比較を実施した(Nord Care Research, 2005)。この調査はカナダ、オーストラリア、ドイツでも実施され、本研究室ではSzebehely教授の協力のもと、石黒暢准教授(大阪大学)との共同研究で、日本でも同じ調査を実施し、北欧諸国との比較を行っている。さらにHirdegard Theobald教授(フェヒタ大学・ドイツ)とともに日独の比較研究も開始した。日本調査については、斉藤弥生・石黒暢『高齢者介護に関する国際比較調査(NORDCARE調査)』(報告書、2013年3月)。(科研費補助金による)

(3) 小地域における福祉ガバナンスについての研究(島根県松江市)(北欧3カ国、イギリス)


社会福祉分野の国際比較研究では制度の比較研究が主流である。本研究では、上野谷加代子教授(同志社大学)らとの共同研究で、所めぐみ准教授(関西大学)イギリス、北欧諸国(スウェーデン、デンマーク、ノルウェー)、アメリカ、韓国)各国から抽出した小地域において、支援を要する高齢者、障害者、子どもが実際にどのようなサービスにより、どのように支援されているのかを、ソーシャルワークの視点から調査し、比較分析し、検討するものである。本研究ではビネットvignette(事例の描写)を用いた調査手法を用いており、生活の実態を捉えようとする研究手法として、ビネット調査のさらなる開発にも取り組んでいる。研究の一部は、上野谷加代子・斉藤弥生編『福祉ガバナンスとソーシャルワーク:ビネット調査による国際比較』(ミネルヴァ書房、2015年2月)として刊行された。(科研費補助金による)
また日本国内では島根県松江市のとりくみについて、公民館を核とした地域福祉活動、生協、農協、社協の連携づくりについて調査研究を約10年間にわたり続けている。